【人魚は空に還る】に続く、シリーズ2作目。
超絶売れっ子絵描きの礼と、雑誌記者の高広が出会う人々との、短編集です。
大正浪漫が好きで、ミステリーは推理しないで読むタイプならオススメします。私はど真ん中。
礼の事件に対する前のめりっぷりが、大変素敵です。
礼がテンションを上げると、モレなく私もテンションが上がります(笑)
その上、自分は見るだけだ、と推理を高広に強要する、その線の引き方も楽しい。
でも一番素敵なのはやっぱり、お人好しで、礼の絵のファン故に彼に頭が上がらない、高広そのひとだと思うのです。
個人的には、この2人が仲良くやってる方が好きなので、1作目の方が楽しかったかな。
表題作『人魚は空に還る』で描かれた冷たく幸福な情景と、穏やかであたたかい雰囲気が忘れられない。
今回は前作より掘り下げて、2人が出会う前の過去や、出会いのきっかけになった話などが収録されていたので、2人のやりとりが少なかったように感じました。それでもやはり、あたたかな話ばかりだったのですが。