程良く,品好く,機嫌よく。
ハイスピ2冊目、中学生になった遙が岩鳶中水泳部に入って新たな仲間とチームを作る編。
ここが一応、ダイレクトに映画原作となりそう。 以下、とりとめない覚え書き。 この遙と信長ボイスの遙がどうしても繋がらない。 映画の遙は「面倒くさい」が前面に出てるけど、小説の彼は、出来る人間故のプライドの高さが前に出すぎているように感じる。 自意識とかそういうのとは少し違うような、この年頃特有なのかはわからないけど私にも覚えがあるような。 この遙であれば、最後のメド継で1人1人に叫んだ的確な声援も理解はできるのだけど、どうしても信長ボイスで再生されなくて、アニメの遙は言わないだろう台詞に感じて、違和感が拭えない。 ところで映画ハイスピは、この小説を原作としているという話だったけど、随分と変えてきている印象だった。 大筋は当然一緒なのだけど、確かに映画の方がドラマチックだし視覚的な盛り上がりも多いし、何と言うか分かりやすくきらきらしたものに描き直したという感じ。 遙はもちろん、郁也も真琴も厨二臭さがだいぶマイルドになったというか。 違いといえば、1番顕著だったのは夏也かな。 映画の夏也先輩は女子にモテるけど、小説のナツニイは男子にモテる。 …いや、夏也先輩は年下から、ナツニイは年上からモテるって感じかな。 ナツニイ泣いてばかりでびっくりした。 夏也先輩は笑ってばかりな印象だからな。尚に対するナツニイが、夏也先輩になったのかしらん。 尚先輩は、映画ではそこまで出張った印象がなかったのだけど、小説ではごりごりメインだった。てゆーか表紙にもいるしな。 遙が料理できるようになってるくだりは、説得力があってよかった。 七瀬母による詳細レシピ…で作らせる料理が割と複雑そうなものばかりで、この母は中学生の息子に英才教育でも施してるつもりなのかと…。 ところで宗介は安定してかっこよかったです。 七瀬邸に鍵を届けに来て、コロッケご馳走になって(ここでハルが、母が作ったのだから美味いに決まっているというスタンスでいるのが微笑ましかった)素直に出された2つを食べて、かるた取りを教えてもらって素直に驚いて、代わりにアドバイスを返して、意外と素直に会話できるんじゃん!!!穏やかなキミは誰より大人で、そんなキミが損した気持ちにならない日々を願うよ!! 貴澄と宗介による凛の評価が、お調子者で自分勝手で、泣き虫なくせにええかっこしぃで、2人揃った意見が「なんかむかつく」だったのが、へえって思うと同時に、それって恋の可能性。 遙が宗介に対して、凛と同じような感情を抱いて、宗介に凛を重ねているのは少しだけ意外だった。 遙は、凛は凛、山崎は山崎だってしれっと言いそうなイメージ。 まぁ宗介も遙に凛を重ねていたのだけど、でも彼はそれを自覚して、とんだ八つ当たりだって後で自嘲する余裕があるのだなぁ。凛に対してもそうやって言いたいことも訊きたいことも飲み込んで、もしかしたら想像とは違う返事があったかもしれないのに、ほんと損しないでほしい。 読み終えて思ったのだけど、これでTVシリーズのFree!に繋がるって、悲しみとか通り越してただただ残酷すぎるね…? でもこの遙は、プライド故に自責をいちいち強く感じて、ひとつひとつ積み重ねているようなので、ここに凛のアレがくるのは充分なトドメだとも思える。 凛の手紙の1文を心に刻んで、多分これからずっと何度もあの言葉を繰り返し思い出しながら糧にしてゆくんだろうし、その凛はもう存分にトドメと成し得るもので、それに郁也や旭や尚であっても引き留める強さとしては全然足りないんだろうし、多分映画の彼らよりずっと簡単にどうしようもなくそのことがわかってしまうんじゃないかと思う。 それはとても悲しいことだけど、そういう冷たい頑なさが小説の遙からはひしひしと出ているんだよなぁ。 あのアニメを踏まえて、意識して、繋ぐ物語としてこれを書いたのかな、と思う。 ところでマッコウどこいった…? PR 2015/12/26(Sat) 22:51:48
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