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2024/11/22(Fri) 22:46:57

この作品が完結する、と知ったとき、一体どこまでやるんだろうかと思ったのですが、あとがきの『泉水子の“はじめて物語”はこれで終結』という文で、すとんと納得できてしまいました。
そういえば1巻あたりに書いてあったような気がするし、最初の2冊はサブタイトルがまんま『はじめての~』でした。
思えば私自身、中学から高校に上がったとき、一気に世界が広がったように感じたのです。
そのときにはわからないけど、1歩出てみたら、随分狭いところにきゅうきゅうとしていたんだと。
それを1番感じたのは、やっぱり中学から高校のときだと思います。
本編の締め括りで胸がいっぱいになって、あとがきでちょっと泣きました。

未来に光が射す、静かで白いラストでした。
それにしても深行くんは、いつだって自分の足で、泉水子を迎えに来てくれるのだなぁ。

以下、内容に触れる話をつらつらと。
 


泉水子は真響の前では、照れたり拗ねたり随分感情を出すようになったなと感じました。
本人もルームメイトとして打ち解けて嬉しい、と感じていましたが、本当に。
真響の面倒見の良さは、深行くんのお墨付きだものなぁ。
何かあるごとに、部屋で報告している2人がものすごく可愛いです。なんつーがーるずとーく。
きっと泉水子には、そんなつもりは毛頭ないのでしょうが。
泉水子はもちろんですが、真響も大変にイイ娘すぎるくらいイイ娘です。

深行くんは、前巻で泉水子に散々「ちゃんと言え」って言ってたくせに、いざ言葉にされたら「この不利な状況で言うなよ!」だもんなぁ。
泉水子に感情を向けられると固まるし、泣かれると慌てるし、思ってたよりずっと普通の男の子だったんだと、ここ数巻でようやく気付けた気がします。
泉水子の視点に、私が寄り過ぎていたのかもしれません。
もしくは、泉水子自身の見る目が変わったのかも…いやそれは確実にありますよね。
視界が随分広がったものね。

そういえば彼は冬休み、泉水子が頼んだから、本当に些細なことをメールしていたそうですが、あの事務的なメールの使い方をする深行くんの、普段だって泉水子に対しては大した雑談もしていないような深行くんの、日々の些細なメールって一体どんな内容なんでしょうか…。
今日は何を食ったとか、誰が帰った、とかでしょうか。
いやだからなんだよみたいな、返事に困るような内容なんだろうなぁ。
だって泉水子は、何でも良いから会話がしたくてメールしてって言ったんだと思うけど、深行くんは生存確認無事連絡くらいにしか思ってない気がするんです。
そもそもそういう発想が薄そうです。
どこまでも相容れないところだと思います。

そして和宮はもうほとんど深行くん。お山に受け入れられた深行くん。
深行くんが、あれはおれの力じゃない、としきりに言っていましたが、大変今更ですが、夏に力を使ったときの烏天狗は和宮の力だからカラスなんですね…!(ホントに今更)
天狗は衣装的に山伏と通じる感じがするので、あんまり気にしてなかったのですが、そうか、烏…!!
錫杖は和宮の力か。そうかそうか。

そういえば文化祭明けの真夏が一瞬幼児返りしたのは、ストレスというか、真夏にも色々思うところがあったんだろうなぁ、と思ってしまいました。
深行くんや真響や泉水子ちゃん、みんなのことを気遣って心配して、でも陽気にはしゃいでみせて。
真夏が、真澄は自分の半身だ、と言ったときは、やっぱりな…と思いました。
だって三つ子にしては、真夏に寄り過ぎているし、真響のことが好き過ぎる気がして。
だからやっぱり、前巻で思った通り、人知れず真夏も失恋していたのかも…などとはちょっと考えすぎですか。

ところで今回、紫子さんカッコ良い!と初めて思ったかもしれません。
年末に母娘揃って玉倉山に帰るのが良かったです。
お山で母が人気者なのも良かったし、それを何ともいえない気持ちで眺めている泉水子が、自分もいずれはあぁなれるんだろうか…と考えているのも。
わかっていなかったわけがないんだけど、泉水子は母が大好きなんだと改めて感じた瞬間でした。
あと深行くんが、紫子さんに対しては常に緊張しているのも良い。
姫神は遊びに来てただけだよ、っていう答えがものすごく好きで、確かにずっと、ただ深行くんに会いに来ている感じが強くて、だからこそ泉水子がもやもやした気持ちになっていたんだろうし、あぁもうなんだよみんな可愛いな!
紫子さんが泉水子に、自分の歳までは必ず生きるよ、と断言したシーンは、何度も繰り返し読みました。
ゆっくり、時間を掛けて染み込むところだと思ったので。
今のことで手一杯だった泉水子に、紫子さんが、宗田きょうだいが、周りの大人たちが、そして誰より深行くんが、未来への道を見せてくれて、初めて気付いたまっしろな光がイメージにちらついています。

もっともっと彼らのことを見ていたかったけれど、ひとまずは4月からのアニメを楽しみにしています。
ヴィジュアルイメージが今んとこ、若干違うんですけどもね、えぇ。
アニメ化に合わせて書かれる予定だという短編も、読めると良いんですけど。
西魔女は見事に読めなかったからなぁ、めそり。

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2013/02/17(Sun) 16:00:38
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