程良く,品好く,機嫌よく。
映画『花とアリス』の前日譚、『花とアリス殺人事件』の小説版を少しずつ読んでいます。
そのあとがきに、花とアリスは“花とアリス”という2人でひとつだったものが、“花”と“アリス”という個に分かれた話だという解釈が書かれていて、そうかな、と思いました。 この系統の多くは、片方が芸術や職業的ないわゆる男性的な、世界と垂直な方向へ、もう一方は恋愛など女性的な、世界と平行な方向へ進み出すのだという点はまさにその通りで、とても納得できる話だったのですが、でも私があの映画のラストで感じたのは、今思い返せば多分、安心だったような気がするのです。 色々あって、互いに別々の、互いがいない新たな世界を各々手に入れて、それでも同じように変わらない距離で笑いじゃれあいながら歩くいつもの通学路に、あぁ花とアリスはいつまでだって花とアリスでいられるんだな、とほっとしたのでした。 これは別に、私はなくしてしまったものだから彼女たちには失わないでほしいとか、そういう感情ではないと思います。 そうじゃなくて、そうじゃないんだけど、でも少しはやっぱり、それもあるのかもしれないです。 PR 2015/10/19(Mon) 23:11:14
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