前篇で、これでもかと大変な想いをしていたジェンが、それらを全て利用する勢いで、ばったばったと自分の想う方へ事態を転がしていく様子は、はらはらするけれど、それがまた心地良かった。私はあくまで、主人公贔屓なのだ。
本当に目を付けていたのは、実はテレウスだった、というのは驚いたけれど。コンフィスじゃないのー?
でも今回、最もニヤリとした点は、やはり女王だ。
女王が、あの女王が、笑ったり照れたり、冗談を言ったりするのは、少し不思議な心地がするけれど、それ以上に愛おしい。
巻を重ねる毎に、女王というよりイレーヌとして描かれる面が増えて、どんどん魅力が見えてきている気がする。
2、3巻でのジェンの告白は、本当に信じられなかったけれど、ココにきてようやく、ジェンの気持ちが分からなくもなくなってきた。
・・・それにしても、この2人、ホントにラヴラヴだな!
ラストでジェンが、ディーテに妬いていた事を認めるシーンでは、女王の動きを読む前に、女王と全く同じ反応をしていた(笑)それがまた嬉しくて、同時にイレーヌがとても可愛く見えてしまう。
エウジェネディスなら、どんな大事でも出来るだけ犠牲を出さずに収めてくれる気がする。
殺しは嫌いだ、でもこれからは殺さなくちゃならない。そう言っていたジェンだから。
彼ならアレくらい、きっとハッピーエンドにまとめてくれると思っていた。
だから、この話はある意味予想通りで、でもその過程はとても予測出来るものではなくて。
そして同時に、ジェンがアトリアの王として認められる為には、確かにアレくらい派手な事をやらなくてはならなかったと思うのだ。
こうして宮廷に、自分が王だと見せ付けたジェン。
これからは『王らしく』振舞うのだろうか。
・・・それはそれで、なんだか妙な感じだが(苦笑)
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