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現代の女性が、終わりを告げられた不倫のショックで家を飛び出した先で落雷に会い、目が覚めたら、おかめの集団に囲まれていた! そんな風に始まるこの話は、平安時代の女の子、小袖の身体に入ってしまった現代人が、源氏物語執筆のネタ集めに奔走するという内容です。 実は私も、主人公と同様、源氏物語より枕草子派なのですが、これを読んだら、何だか興味が出てきました(笑) 主人公の語り口調がまた、さばさばしていて楽しいのです。 若紫や明石など、いくつかの巻に携わり、そのモデルとなった(ハズの)女性に話を聞きに行き、コトの真相を暴いていくのですが、それがまた面白くて。 出てくる女性が、とても魅力的なのです。 みんな、色んな事情があって、色んな想いを抱えていて、最終的にそれらを『物語』として世の中に出す香子様(源氏物語の執筆者)の眼差しが凄く温かくて。 最後はさりげなく、真面目に、前向きになれる話で、とても良かったです。 読後感が幸せな1冊でした。