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2024/11/25(Mon) 16:21:34
早老病にかかった22歳の老婆が、最後の夏の場所に選んだ思い出の島で、初恋の人と再会するが、相手には自分が分からない・・・というあらすじに惹かれたのです。
時間を飛ぶように現れる、中学時代の初恋の記憶と、島ののんびりと輝いた風景に対して、時々ふっと現れるざらりとした現実が痛くて。
主人公の夏樹が、ヒロと仲良くしている若くて可愛いサヤに、些細なことで嫉妬したり、2人を祝福したりを繰り返す様子がやたらリアルでした。サヤといるときは、サヤなら許せると思えるんだけど、いざヒロを目の前にしたらやっぱり嫌なんですよ!頷かずにいられない!
また、ところどころで、オリジナルから有名なものまで様々な物語が、夏樹の行く先を各々暗示するように入ってくるのが、何とも・・・だって、どれもこれも『めでたしめでたし』で終わらないんだもの!

あと、最後のシーンについて一言だけ。

イルカと一緒に逝かせてあげなかったヒロ。
もういっそ、行かせてあげれば良かったのかもしれないけれど、それでも引き止めてしまうのが、ヒロらしさだと思いました。
一緒に罪を償うこともなく、ただ、背負っていこうと。
1人だけ逃がしはしない、という思いも、なきにしもあらずかもしれないけれど。
サヤを失って、良ちゃんもいなくなって、ヒロも1人きりなんだよね、そういえば。
でもこれから、一緒に生きていくというわけでもなさそうだし・・・どうなんでしょうね。
ハッピーエンドかどうか、と聞かれたら、未だに答えが出せないラストでした。
ヒロとの恋が今尚実っている、という意味では幸せでしたが、サヤは亡くなってしまったわけですし。
面白かったのですが、読後感が何とも言えない本でした。

・・・全然一言に収まってねぇ。
 

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2008/12/16(Tue) 23:35:19
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