ドリームバスター４ / 宮部みゆき

時間鉱山の冒険、完結編。
このシリーズは雑誌連載していると認識していたんですが、後半は書き下ろしになってました。
あれ。まぁ良いんだけど。

シェンを始めとするD.B.は、他人との距離のとり方が上手いな、と思います。
この場合の他人、はD.P.を指すわけですが。
深入りするでもなく、突き放すでもなく。
すぐ隣に座って、客観視してくれる。
･･･友達に欲しいけど、友達になっちゃったらまた、付き合い方も変わるんだろうな。
シェンやマッキーはもちろん、イトウくんがだんだん打ち解けていくのが、すごく嬉しかったです。
だからこそ、最後の彼らには泣けてしまいました。

嫌な現実からは誰だって、目を逸らしてしまいたくなるけれど、そうやってキエは大事なコトまで見て見ぬ振りをしたがりました。
終わりの前触れは確実に顔を出していたのに、いざそれが明確に目の前に現れたとき、自分の人生ごと終わりだと一瞬でも思って行動してしまったキエは、【小袖日記】の主人公と重なります。
もちろん、この２作品に限らない話なのですが、だからこそ女性は誰しも、こういう行動をとる可能性を持っているんだ、と言われているような気がして仕方ありません。

最終的に、ヒロムとキエが無事に帰れて、本当に良かったです。
そしてローズは、思っていたよりずっと母性を持っているようで吃驚しました。
これからまた、シェンとの接触があるのかと思うと楽しみです。