鳴海さんの生誕記念日

鳴海さん、お誕生日おめでとうございます！！
今日この日に貴方が生まれてきたこと、色んな思惑の果てで、決して手放しで喜べることではなかったけれど。
それでもやっぱり、１番の感情は『感謝』なのです。

生まれてきてくれてありがとう。
歩に出会えてよかった。
そう思ってるのは、きっと私だけじゃありません。

優しい貴方が、少しでも穏やかに笑えますように。
出来るだけ、幸せが多くありますように。

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以下、バースデー記念小咄。
最終巻のネタバレを含みますので、未読の方はご注意を。

『絵ハガキ』

差出人のない絵葉書。

見たことのない切手に、玩具みたいな消印。

日本語ではない、自分の名前。

観光地の写真でも、有名な画家の絵でもない、チープなイラスト。

使った画材さえよく判らない、その画面からは不思議と温かみを感じられて。

今日、この日を狙ったように届いたメッセージ。

 

そこに描かれていたのは、クリームがとろりとかかる苺ショートケーキと、カップになみなみと注がれたホットコーヒー。
明るい日差しを受けて、添えられた小さな花々が色を濃くしている。

 

…俺は、こんなケーキ作ったことないぞ？

届くハズのない呟きが声になりかけて、思わず苦笑してしまう。

仮に、あんたが何処か遠い街で、これを食べたと言うのなら。

ポストカードをキッチンの隅に立て掛けて、食材を取り出す。

あぁ、さすがに苺は買いに行かなくちゃな。