拍手で携帯から見たブログの様子を教えて下さった方、有難うございます。 以下、前回ちょっぴり好評頂けた小咄第2弾です。 『あわ』 しゅわしゅわと音を立てるサイダーをかき混ぜて、泡を空気に逃がしていると、目の前の少女がふいに呟いた。 「海の泡になってしまいましたって、綺麗な言葉ですけど、結局消えてしまったってコトですよね」 その文句で終わるおとぎ話は、正直あまり好きではない。 「人魚姫のお話です。何か、コレ見てたら思い出しません?」 即答してやると、答えるのが早すぎる、と怒り出した。 「幸せな結末がお望みなら、赤毛の小さなお姫様は泡にならないぞ」 運命に逆らって幸せを求めても、不相応な願いは所詮、成就しない。 「う~ん、そうなんですけど~」 ぱちぱちと、無数の刺激が押し寄せる。 「サイダーの泡は、いつか消えるが、海の泡は永遠に失くならないんじゃないか?」 勢いよく顔を上げた少女の動きを追い掛けて、おさげ髪がふわりと揺れる。 -END- PR 2006/11/16(Thu) 22:52:31
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