先月から、細々と小咄を書き溜めています。 ちょこちょこと、そこから零れた(ハブれた、とは言わない)お話を、ここに載せて自己満足してみようかと思い、カテゴリ追加してみました。 ・・・今度、薬屋も書こうかな。書けるかなぁ。 『さいだー』 サイダーの泡を見ていると、思い出す物語がある。 「海の泡になってしまいましたって、綺麗な言葉ですけど、結局消えてしまったってコトですよね」 しゅわしゅわと湧き上がる泡をストローでかき混ぜながら、少年が眉をひそめる。 「人魚姫のお話です。何か、コレ見てたら思い出しません?」 私の叫びなど、何処吹く風でサイダーを一口。 「幸せな結末がお望みなら、赤毛の小さなお姫様は泡にならないぞ」 わかっている。 しゅわしゅわと弾ける泡。 「サイダーの泡は、いつか消えるが、海の泡は永遠に失くならないんじゃないか?」 からん、といつの間に飲み切ったのか、彼のグラスで氷が鳴った。 -END- PR 2006/11/09(Thu) 00:58:17
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